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2018年6月WWDC18 ハードウェアの発表はなく、OSのアップデートの話でした

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WWDC18 タイトル

こんにちは、ヒーニョンです。
2018年6月4日(日本時間5日AM2:00) WWDC18ことWorldwide Developers Conference(開発者向けイベント)が開催されました。いつもより少し長い2時間15分の公演でした。
WWDC18 クック登壇

冒頭に今回の公演はソフトウェアのアップデートについての発表だと言明され、いきなりハードウェアの発表が無いと分かり残念に思う方も多かったでしょう。
公演はiOS、watchOS、tvOS、MacOSの順に発表され開幕のiOSだけで1時間もの時間を割き、大トリのMacOSは魅力ある内容でした。
WWDCは開発者向けなので、分かりにくい部分もあったと思いますので、プログラマとして感じたことを書いていきます。

iOS 12

今年もメージャーバージョンが上がりiOS 12となります。対応デバイスはiOS 11と同じでiPhone 5s以降になります。
WWDC18 iOS

iOS12の大きな特徴はレスポンシブの向上・高速化です。古いデバイスでもアプリの起動速度は40%向上、キーボードの表示速度は50%向上、カメラ起動は70%も向上します。古いデバイスはOSが進化する度に遅くなるのでアップデートを控える方も多いのですが、iOS12へのアップデートの更新率は大きくなると思われます。
WWDC18 iOSパフォーマンス

開発者目線だと、古いOSの切り離しが進み負担が減るのでありがたいですね。OSの高速化はアプリ開発者としては頼もしいのですが、気になることがあります。素人目線だとOSが進化して複雑になっていったプログラムを整理して速くしていると想像すると思いますが、パフォーマンスの向上は殆どの場合、プログラムを整理してキレイにするというよりは複雑になることが殆どです。例え話が難いのですが、Aを2倍するという意味でプログラムするなら普通はA*2とすれば見たら誰でも分かりますが、高速に処理をするために左シフトでも同じ答えが得られるのでA<<1としてプログラムすると高速になりますが、後から読み直すと意味が分からなくなり、メンテがやりにくくバグも増える傾向にあります。パフォーマンス向上と品質は表裏の関係にあることが多く、開発者の悩みでもあります。
最近のAppleのソフトウェア品質は、計算機アプリで計算結果が間違えてるなど、あってはならないようなバグが発生していて、ここ数年の品質は下がってきてると感じます。品質は派手なものではないので語られませんでしたが、機能アップより大切にして欲しいところです。

AR

Apple純正のMeasure(メジャー)というARアプリが発表されました。iPhoneのカメラ越しに物体の頂点をタップするだけで、長さを測ることができます。サードパーティ製で部屋の間取りを計測するアプリなどがありますが、Measureは立体的に計測できるようです。精度がどのくらいあるかによって使い道が変わってくるのかと思います。あと、この機能はiPhone Xだけかもしれないですね。もしかしたら夏の新しいiPhoneでは対応できるのかな?
WWDC18 iOSメジャー

USDZという新しいAR用のファイル形式が発表され、Adobeも対応を表明しています。どうなるかというと、ブラウザで楽器などの商品の3Dオブジェクトを見ながら色などをカスタマイズしたり、その3DオブジェクトをiPhoneカメラを通して仮想的に部屋に配置することができるのです。

レゴブロックに仮想的なレゴを組み合わせて遊ぶ、未来の子供の遊びがデモされました。ARを通してみると、どれが現実なのか区別が付かないです。
WWDC18 iOSARレゴ

Siri

デジタルアシスタントが追加され、Siriが執事のように提案するのです。ユーザーの行動を学び、いつも決まった時間にコーヒーを注文していると、Siriはその時間になると、そのことを提案する。会議に遅れそうだったら、Siriは連絡のメッセージを誰かに送るよう提案する。

Shortcts(ショートカット)が追加され、Siriからサードパーティアプリを呼び出すことができます。色々なアプリを組み合わせてマクロが作れるIFTTTのような感じです。Siriに声を掛けて起動させられるのがありがたい場面が、Googleマップでのカーナビです。僕はバイクなので、手はグローブをしていてホームボタンすら操作できないので不便に感じています。サードパーティアプリ側の対応が必要だと思われますが期待している機能です。
WWDC18 iOSショートカット

通知

通知の見せ方が変わります。ロックスクリーン越しに通知を制御したり、グループにまとめたりできます。
僕は不要な通知が多くて、必要な通知が埋もれてしまうことが多いです。グループ分けしてもらえると見やすくなりますね。
WWDC18 iOS通知グループ化

おやすみモードが進化します。寝ているときに通知をオフにしたり、時間や場所によって通知をオフ、といったように、通知を無効化できます。

監視

Screen Time機能は、画面を見ている時間を計測して、アプリケーション別に活動記録が残されます。通知回数も分かるので、設定の見直しや、使っていないアプリの削除などメンテナスしやすくなりますね。
WWDC18 iOS監視

App Limits機能は、子供にとっては恐怖の機能です。
アプリ毎に使用時間を設定でき、通知で使いすぎを教えてくれます。また、子供の端末も管理可能で、親が使用時間や使用アプリを設定できるようになります。親にとっては安心できますね。
WWDC18 iOS制限

Animoji(アニ文字)

前回のiOS11で発表されたAnimojiが進化しました。Tongue Detection(舌検出)が追加されより表情豊かな動きがだせます。
WWDC18 iOSアニ文字

今回はMemojiを発表しました。どことなく任天堂の機能と名前も似ています。たくさんある顔のパーツを選んで自分のを作り、アニ文字として利用できます。楽しそうな機能ですが、アニ文字が使えるのは顔認証ができるiPhone Xのみですから、僕のiPhone 7では使えないのかな?
WWDC18 iOSMemoji

FaceTimeビデオで最大32人のグループ通話が可能になります。顔出しに戸惑う方でも、アニ文字を覆面にすることが可能です。
WWDC18 iOSグループ通話

watchOS 5

僕にとって悲報だったのが、watchOS 5はApple Watch Series 1以降に対応です。僕が所有している初代Apple Watchでは導入できないのです。初代の発売は2015年5月なので約3年での切り捨ては早すぎませんか?Appleさん
WWDC18 watchOS

新しいタイプのワークアウトとしてヨガとハイキングが追加され、友人同士による競争ができるようになります。やっぱり競争相手がいると頑張れますよね。ワークアウトの自動検知機能が付き、ランニングなど運動を開始すると、自動で記録を開始してくれるようになります。
WWDC18 watchOSワークアウト

新しいアプリとしてApple Watchをトランシーバのように使えるWalkie-Talkieアプリが追加されます。
また、「Hey Siri」と呼びかける必要がなくなり、画面が点灯していれば話しかけることによって認識してくれるようになります。
WWDC18 watchOSWalkie Talkie

tvOS 12

WWDC18 tvOS

Apple TV 4Kで新しい3Dサウンドシステム「Dolby ATMOS」に対応し立体的な音を楽しめるそうです。Dolby ATMOSのスピーカーなどの設備を整えるのが大変そうです。
WWDC18 tvOSATMOS

Apple TVのスクリーンセーバーが新しくなります。国際宇宙ステーションから撮影された地球の映像を見ることができるようになります。地球一周90分だそうです。Siriリモートで、映像の場所の説明を見ることもできます。
WWDC18 tvOSスクリーンセーバー

macOS 10.14

気になるOSの名前は、これまで山の名前シリーズでしたが、今回は砂漠のMojave(モハベ)です。アメリカ南西部のカリフォルニア州、ユタ州、ネバダ州、アリゾナ州にまたがる砂漠です。
WWDC18 macOS

ダークモード

新しくダークモードが追加されました。サードパーティのアプリではダークモードがあるアプリも多いのですが、やっとOSがデークモードにできるようになりました。プラグラマなど文字を読む時間が長いと目が疲れるのでデークモードで作業をする方が多いのですが、僕は明るい通常モードとダークモードの混合で明暗の差がキツイのでダークモードを搭載したアプリでも標準モードで作業をしていましたが、OSが対応してくれると、これからダークモードを中心に作業をしたいと考えています。サードパーティのアプリもダークモードが増えるとありがたいですね。
WWDC18 macOSダークモード

デスクトップ

デスクトップの壁紙が「朝・昼・夜」で変化するようにできます。風景の壁紙だと同じ場所の朝昼晩の写真で変化させると時間を感じれていいですね。
デスクトップにファイルが散乱する経験は誰でもあると思いますが、これを一気に整理してくれるスタック機能が追加されます。これは、ファイルを種類とか作成日付とかタグとかとかで自動的にグループ化してくれるっていう機能です。
WWDC18 macOSデスクトップ

Finder

Finder(ファインダー)の強化として、クイックアクションが追加されます。これは写真に透かしを追加したり、回転したりできます。またExif情報も確認できるようになります。いままでプレビューソフトで立ち上げて見ていたので、手間が無くなるのがうれしいです。
WWDC18 macOSFinder

クイックルック

クイックルックはファイルを選択してスペースキーを押すだけで簡易プレビュー表示してくれるMacの超便利機能なのですが、されに強化されます。マークアップの組み込み、署名追加、動画のトリミングなど、ちょっとした編集がサッとできるようになります。
WWDC18 macOSクイックルック

スクリーンショット

スクリーンショットは多くの方が使っている機能ですが、今回強化されます。iPhoneでスクリーンショットを撮ると画面下にサムネイル表示されるようにMojaveでも画面下にサムネイル表示されます。これをクリックすると簡単な編集ができるようになるのです。
他に画像としてではなく動画としてキャプチャすることも可能になります。これまではQuickTimeなどのスクリーンキャプチャアプリを起動する必要があったのがスクリーンショットの機能の1つとして提供されます。
また、iPhoneで撮ったスクリーンショットや写真などをMacのアプリにすぐに送ることが可能になります。iPhoneとMacの連動は便利すぎます。
WWDC18 macOSiPhone連動

Safari

Safariではプライバシー機能を強化します。通常のブラウザであればユーザーのシステム構成などの情報をトラッキングされ、個人を特定する情報になるのですが、これが全て同じ情報になるので個人を特定できないようになります。
また、ソーシャルメディアのいいね!ボタンなどを押したときに、収集するトラッキング情報があることをユーザーに通知する機能が付きます。
WWDC18 macOSSafari

MacOSとiOSの統合

マイクロソフトのWindowsはパソコンとタブレットが同じOSだということもあって、MacとiPhone、iPadが同じOSに統合されるのでは?という憶測が立ちます。ユーザーにとっては興味の無い話かもしれませんが、プログラマにとっては死活問題です。プログラムは資産なのでプラットフォームが変わると資産を失うことになるのです。
今回Appleは、MacをiOSで動かすという噂を完全否定しました。
WWDC18 macOSiOS No

現在のOSの積み重ねがスライドに表示され、これを見るとベースとなるCore OSがベースとなり、その上に技術が乗っていき、MacOSとiOSの違いが出るAppKitとUIKitに別れます。
アプリ開発者はMacOSならAppKitを使い、iOSならUIKitを使ってプログラミングします。
WWDC18 macOSiOS構成

それが、MacOSからUIKitが使えるようになります。これが意味するところは、iOS用に開発したアプリをMacOS用に移植しやすくなるということです。今までならUIKitをAppKitに変えてプログラミングを作り直していたのが、多少楽になるということです。会場はプログラマが参加しているイベントなので、一番盛り上がったのではないでしょうか。
WWDC18 macOSにUIKit

この技術を利用して、iOSアプリの「ニュース」「株価」「ボイスメモ」をMacアプリに移植してリリースされます。
デベロッパーには2019年に提供されるので、iOSにしかないアプリがMacに移植されるケースが増えてくると思われます。

まとめ

今回のOSのアップデートは、機能的には少なかったように感じます。OS的には習熟してきたのでパフォーマンス向上に多くの時間を割いたように思えます。パフォーマンスに手を入れるということは全面的にテストをし直す必要があるので大変な作業だと思います。iPhoneを仕事で使われてる方は、リリース日にアップデートするのは少し待ったほうが良いかもしれませんね。

個人的には、
今回ボイスメモが強化されMacとも同期されるようになります。僕は会議や説明会などでiPhoneのボイスメモを使うですが、現状ボイスメモはお手軽で良いのですが、議事録などで文字起こしをしようとすると操作性が悪いんです。例えば10秒や1分の先送りや巻き戻しができなかったり、付箋メモを付けたりできたらいいのになぁって思っています。強化されて使いやすくなったら嬉しいな。
iPhoneやApple Watchを使っていて感じるのが、老眼になったので小さな文字を読むのが辛いのです。大きいフォントに設定してもアプリが対応していない場合が多く、画面が崩れたりして使えないので、OSで虫眼鏡を付けて欲しいなぁって思っています。

今回の公演で一番嬉しい機能はmacOSのダークモードですね。早く新しいmacOSに切り替えたいのですが、サードパーティのアプリ対応がいつも遅れるので、リリースから3ヶ月ほど待っても更新になりそうです。

ではまたヾ(^^へ)

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